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住みたい街・浦和 地元の高級住宅街イメージは都民には通じない?

湘南新宿ラインの全列車停車は地元住民にとって大きな“事件”
湘南新宿ラインの全列車停車は地元住民にとって大きな“事件”

 憧れていた街でも、実際住んでみると、多かれ少なかれ想像とのギャップがあるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、SUUMOが行った「住みたい街ランキング 2017」で19位にランクインした「浦和」(埼玉県さいたま市)について、ライターの金子則男氏が解説する。

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 かつての埼玉県の県庁所在地だった街・浦和が、ライバルの大宮市と(さらに与野市も)合併したのは2001年のこと。合併から15年以上経ちますが、ライバル心を抱く気持ちに変わりはないようで、互いに「おらが街が一番」とのプライドを持っています。お互いの主張は、大宮住民が「大宮には新幹線が止まる」と言えば、浦和住民は浦和レッズ(と大宮アルディージャの成績)を持ち出すととった具合。正直、仲はあまり良くない印象です。

 そんな浦和の住民を歓喜させた“事件”が、JRの湘南新宿ラインが停車するようになったことです。これまで池袋、新宿、渋谷に行くには必ず乗り換えが必要でしたが、これによってアクセスが一気に良くなり、池袋まで21分、新宿まで28分、渋谷まで34分で到着することが可能に。その表玄関である浦和駅は、かつてはかなりショボい造り(失礼!)で、駅の規模としては大宮に大きく水を開けられていましたが、駅ビル(アトレ)が完成して、駅の風景が一変しました。

 交通面では、上述の湘南新宿ラインに加え、京浜東北線、宇都宮線、高崎線が通り、“縦の移動”は問題がありません。ただし“横の移動”に関しては、隣駅の南浦和駅で武蔵野線に乗るしか方法がなく、浦和駅から埼玉スタジアムへ行くのはなかなか面倒です(シャトルバスがありますが、所要時間は40分)。一方、道路状況に目を向けると、高速道路の入り口からも主要国道の新大宮バイパスからもやや離れており、あまり良好とは言い切れません。

地元住民は「浦和」がブランドだと思っているけれど……

 浦和は二面性を持った街だと思います。浦和駅前にはオシャレデパートの雄・伊勢丹があり、高級スーパーの成城石井や、蔦屋書店も存在。岸町,常磐、高砂あたりは、埼玉県内トップクラスの高級住宅街です。県下トップの進学校である浦和高校や、女子校の名門・浦和一女もあり、文教地区という側面もあります。

 また、知名度は今ひとつですが、浦和はウナギの名所でもあり、駅西口には「浦和うなこちゃん」の像が飾られています。もともと宿場町として栄えた浦和は歴史も古く、旧・中山道沿いには歴史を感じさせる建物も残っています。

 しかし、そんな浦和に本拠地を置くレッズのサポーターの気風は、お世辞にも上品とは言えません。試合後にはサポーターが駅前に集まり、周辺は喧騒に包まれます。また、公営競馬の浦和競馬場もあり、上品路線を貫けない要素が多々存在します。

 そして大きな問題は、地元住民と都民との意識の乖離です。浦和住民は、「元県庁所在地」「伊勢丹やパルコがある」「浦高や一女がある」などを理由に、「浦和」という地名がブランドであると信じていますが、都民にはそのブランドはまったく通用しません。浦和が高級住宅街であると主張しても、往々にして鼻で笑われてしまうのがオチでしょう。

 家賃相場を見てみると、浦和駅の「ワンルーム・1K・1DK」の相場は6.73万円で(ライフルホームズ調べ)、隣駅の北浦和(5.90万円)や南浦和(5.64万円)と比べて1万円近く高くなっています。湘南新宿ラインで都心へ1本というのは大きな魅力ですが、都心に頻繁に行く用事がないという方であれば、隣駅を含めて検討してみるのも良さそうです。

(*マネーポストWEB 2017年9月2日公開)

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